北米向けの産業装置は、装置使用者が労働安全衛生法の29 CFR 1910に適合した装置を使用する義務があり、その中でリストアップされている産業装置の電気安全規格のNFPA 79を中心にNFPA 70とUL508Aの要求事項を参照します。 さらに、装置の内容に応じて、ANSIやASME、ULなどの北米規格を参照します。
NFPA70 は、NFPA (National Fire Protection Associations:米国防火協会)が規定する米国電気工事基準です。NEC(National Electrical Code)とも言われ、電気使用により発生する危険から人または財産を保護することを目的としています。
NFPA79(産業機械の電気規格)は、NECに関連して米国における産業機械の電気装置での感電や火災の安全保障に関する詳細が規定されています。電気/電子設備、機器、もしくは600Vまたはそれ以下の公称電圧で作動する産業機器及び設備、機械の電気機器に関する電力供給部分において適応されます。
UL508Aは、ULが策定している規格の一つです。 本規格は、国家規格の位置づけとは異なりますが、NFPA79の参照規格であるため、北米向けの産業装置の制御盤設計につきましては、UL508Aに従うことが求められます。
ANSIは、アメリカ規格協会(American National Standards Institute)の略で、アメリカ合衆国における工業規格の標準化を行う機関であり、同協会が承認したものをANSI規格と呼びます。ANSIで標準化された規格がISO/IECの標準となることもあります。
ASMEは、アメリカ機械学会(American Society of Mechanical Engineers)の略で、機械工学を中心とした分野の規格化や標準化およびそれに基づく認定等の活動を推進しています。
ULが作成している規格をUL規格と呼び、ANSIにより国家規格としての位置づけを与えられている場合が多く、アメリカの製品安全規格の代表格として認知されています。
Field Evaluation(Field Labeling)は、各州や市で、AHJ(Authority Having Jurisdiction:規定執行官)によって運用されている認証制度で、その要求内容は各地で異なります。 国内、もしくは北米現地で提携会社と連携して行う、評価・試験・立ち会い検査に適合すると、装置にField Labelが貼られ、装置を運用することが認められます。
オンサイト、またはテストサイト試験・対策コンサルティング
FCC(Federal Communications Commission:連邦通信委員会)が定めるPart15は、無線周波機器(情報機器)、Part18は、産業・科学・医療用の装置が対象になります。 装置の試験や検証を行うか、もしくはFCC自身からの認証取得が必要です。 試験は、装置から発生しているノイズを測定します。
FDA(Food and Drag Administration:食品医薬品局)の要求により、レーザーを搭載している装置は、労働安全衛生法の21 CFR 1040.10か、IEC 60825-1の要求を満たしていることを当局へ申請する必要があります。